高千穂町から阿蘇山を眺めながら車を走らせて約2時間。5月に家族4人で訪れて惚れた宿、「山みず木」の別邸である「深山山荘」を予約しておいた。
山みず木別邸 深山山荘
一般的な旅館である「山みず木」に対して、「深山山荘」は全室が離れ形式になっており、1棟が2組ずつの作りの宿が全部で8棟。古村のように点在しており、その真ん中にレストランと大浴場がある。
それぞれに内湯があり、部屋によっては露天風呂も。今回はベッドと露天風呂がついた部屋が予約できた。作り込まれた和風のアプローチと分厚い茅葺き屋根。庭の水音が室内でもかすかに聞こえ、夜は蛙鳴も。
部屋は座敷と寝室が隔てられおり、今回は夫婦2人での利用だったが、座敷に布団を敷くこともできるので、もっと大人数でも利用可能。
充実のアメニティとパリパリの今治タオルが用意された内風呂。ガラス戸を隔てた向こうには、外風呂。湯温はクソ高めなので、用意されてあるホースで温度調節をしたり、手足や首筋で冷水浴をしたり。蛇口から出てくる水は、すべて九重山系で磨かれた天然水なので、キンキンに冷えており、そのまま飲めて美味。交代浴で整いごっこも楽しめた。
夜中にも外風呂に入ってみたのだが、福岡では見ることのできない、満天の星空を眺めながらの寝湯は、酒も飲んでいないのに、羽化登仙の心持ち。
レストラン「畔」にて夕食
いわゆる泊食分離形式なので、部屋で食事をとるのではなく、各離れの中心部分にあるレストラン「畔(あぜ)」に出向く。
前菜、つぶ貝の宿借・湯葉西京漬け・あおさ新丈・小鮎レモン煮・チーズサーモン巻・一文字ぐるぐる・オクラとろろ蓴菜・ビーツカクテル
椀盛、ぼぶらスープ
向付、みやび鯛マリネ
煮物、博多地鶏治部煮と冬瓜炊き合わせ
焼物、鮎の塩焼き
肉料理、肥後牛ステーキ
御飯、小国米あきげしき・香物・止椀
デザート、ヘーゼルナッツアイス・白桃ゼリー
5月の山みず木の時の夕食は、美味いのは美味いが、量が尋常ではなく、すべてを楽しみながら味わえたかというと、正直あやしかったのだが、今回の夕食は、量も供されるペースも申し分なく、本当に美味しかった。食後に部屋に帰ってウンウン唸りながら寝込むこともなく、すっきりとして爽やかな食後感で、素晴らしいものだった。
朝の散歩
福岡でも日課となっている、妻との朝の散歩。前日の朝の散歩は真夏のクソ直射日光にあぶられながらのものだったのだが、黒川は約5度ほど気温が低く、朝一番だと少しひんやりするほど。鄙びた景色に、目を洗われた。
昼飯に蕎麦をしっかり食べるつもりだったので、予約した時から朝食は抜きのオプションをお願いしておいたので、時間を気にすることなく、ほかの宿泊客が朝食の時間帯に、貸切状態の露天風呂を堪能したり、ゆっくりと荷造りをしたり。
宿のスタッフさんにおすすめの蕎麦屋を聞いたので、11時前にチェックアウトして、出発。年に一度は泊まりに来ると、決意。