九州国立博物館で開催中の『北斎』展の前期最終日を滑り込みで鑑賞。混雑を覚悟していたのだが、そこまででもなく、福岡という地の利を実感。東京だと、こうはいかない。
娘が北斎の絵が好きなので、『神奈川沖浪裏』や『凱風快晴』も楽しんだが、やはり目玉は、九国でしか鑑賞できない、門外不出の『日新除魔図』の一斉展示。『日新除魔図』の展示エリアは、フラッシュを焚かなければ写真撮影OK。
北斎が毎朝、起きてすぐの筆のウォーミングアップとして描いた一連の獅子図。描いた日付が記されており、本人は365日描くつもりだったようだが、1枚で数日分のものや、欠けた日もあり、合わせて219枚。画狂老人の手慰み。
家族それぞれの誕生日の除魔図を探したら、ちゃんとあった。よかった。
4階の常設展も充実しており、約3時間、家族それぞれの楽しみ方で過ごせた。俺は、北斎以上に、この『日新除魔図』を生前に手に入れており、九州国立博物館に門外不出を条件に寄贈した、古美術商の坂本五郎という人物に興味をそそられた。
手元に219枚の北斎の絵を置いて暮らすというのは、いったいどのような気持ちなのだろう。ミュージアムショップで『坂本五郎コレクション』の図録と、Amazonで関連本を2冊購入。