絶対に行きたいと思っていた、福岡市美術館『ゴッホ展 - 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント』に、なんとか行けた。1月中旬より、家族が順番に新型コロナに罹患して、なぜか無感染だった俺の濃厚接触者としての行動制限期間が終わった翌日の朝一番。やれやれ。
ゴッホ作品の最大の個人収集家であるヘレーネ・クレラー=ミュラーのコレクションから、油彩画28点と素描・版画20点が、福岡にきた。『夜のプロヴァンスの田舎道』『サン=レミの療養院の庭』『種まく人』といった、見ておくべき大物がしっかりと含まれていて、素晴らしい内容だった。
そして、福岡という適度な僻地での開催も、本当に素晴らしい。これが東京なら、大勢の人の後頭部越しに作品を眺めるということになるのだが、平日の朝一番ということもあって、ガラガラではないが、それなりにゆったりと、好きな絵を眺めることができた。
さすがゴッホということで、ファンシーなグッズも大量に用意されていて、売店はかなり混雑していたがなんとか図録をゲット。
全面糸杉の素晴らしい装丁と、充実の内容。印刷も美しかった。
図録には掲載されていなかったが、ルノワールの『カフェにて』や、ルドンの『キュクロプス』もきていた。コンパクトながら、贅沢なラインナップ。
気がつけば俺も妻も、37歳でこの世を去ったゴッホより年上になっていたことに気づいて愕然とした。いつの間にか、高校球児が年下になり、AV女優が年下になって、ついにはゴッホも年下になった。