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発表されたバルミューダのスマホ『BALMUDA Phone』の空虚なこだわりとAppleごっこについて

日本で一番、Apple「っぽい」商売が成功しているBALMUDA(バルミューダ)がスマートフォンを発表した。狭小アパートの我が家には、バルミューダ製品が一つもないし、特にこのスマホにも興味はないのだが、それなりに話題になっている。

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で、そのBALMUDA Phoneについて、Engadgetに紹介記事がアップされていたので読んでみたのだが、一言「ダサい」。Appleごっこを自分でアピールしてどうしたいのよ。

特にディスプレイサイズにこだわったといい、0.1インチ刻みで最良なサイズを探索した結果、4.8インチという結論に至ったとのこと。しかし、4.8インチでは部品が入り切らなかったため、4.9インチで製品を完成させたといいます。

Engadgetより)

意訳すると、「途中まではAppleごっこや、スティーブ・ジョブズごっこ、ジョナサン・アイブごっこをしていましたが、いろいろ難しかったのでやめました」となる。


なぜこれがAppleごっこなのか。これを読んで思い出したのが、Appleの元CDO(最高デザイン責任者)であるジョナサン・アイブの評伝『ジョナサン・アイブ 偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー』で紹介されていた、Mac miniの筐体サイズ決定についてのエピソード。このために、Kindle版を再購入した。やはり本は捨てたり売ったりするべきではない。

彼らは一番小さい模型を指さして、『あれじゃ小さすぎる。ちょっとありえないな』と言い、次に一番大きいほうを指さして『うん、あっちは大きすぎ。あんな大きなのはだれも買わないな。じゃ、真ん中のあの辺のでどうだ?』って。そんな感じでした」

(『ジョナサン・アイブ』Kindle・位置3,080)

これに近しいことは、バルミューダでも行われたのだろう。様々なディスプレイサイズのモックアップを作って、あれでもないこれでもないと。楽しいよね。

筐体のサイズはささいなことに思われるかも知れないが、それによって搭載するハードディスクドライブの種類が変わる。筐体が大きければ、デスクトップに通常使われる比較的安価な3.5インチドライブを搭載できる。もし小さな筐体を選べば、はるかに値の張る2.5インチのラップトップ用ドライブを使わなければならない。

(『ジョナサン・アイブ』Kindle・位置3,080)

ただ、どんなに素晴らしいデザインでも、それを実現させるために越えなければならない技術的、あるいはコスト的な障害があり、企業のプロセスとしては、デザイン的なこだわりとの擦り合わせが必要になってくる。

ジョニーと上層部は、安い3.5インチドライブに2ミリ足りない筐体を選んだ。「コストの節約になるハードディスクドライブを基準にせず、外観を見て決めたんです」とバスキは言う。ジョニーはハードディスクの件を話題にもしなかった。いずれにしろ関係なかったのだ。「僕らがそれを伝えたとしても、彼らが意思を曲げることはほとんどありませんでした。彼らにとっては、製品の外観と大きさがどうあるべきかという純粋に美的な要因がすべてでした」

(『ジョナサン・アイブ』Kindle・位置3,080)

Appleやジョナサン・アイブ、そしてスティーブ・ジョブズがスペシャルであったのは、デザイン・ファーストを貫き通し、そのこだわりを実現させるためにその他の全てが動く、というところにあったと、本書では語られている。

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翻って、和製Appleであるところのバルミューダだが、ディスプレイのサイズを「部品が入り切らなかったため」という合理的(?)な理由で、あっさりと1ミリでかくしている。もう一度、該当部分を引用する。

特にディスプレイサイズにこだわったといい、0.1インチ刻みで最良なサイズを探索した結果、4.8インチという結論に至ったとのこと。しかし、4.8インチでは部品が入り切らなかったため、4.9インチで製品を完成させたといいます。

Engadgetより)

読んでいて恥ずかしくなるし、このエピソードを公にすることのブランディング的な意味はなんなのか。それは、デザイン的な文脈では、「こだわり」とは言わん。


BALMUDA Phoneのサイト、全体的にポエミーで恥ずかしいのだが、ダ・ヴィンチの『ウィトルウィウス的人体図』まで引っ張り出してきてブチ上げている、「合理性より芸術性」のオダが、ぶっちぎりで恥ずかしい。曰く、

現代の科学技術から考えると、
BALMUDA Phoneの形状や設計思想は合理的ではありません。しかし、芸術的です。

とのこと。

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こだわった4.8インチのディスプレイという「芸術」を捨てて、部品を詰め込むためのサイズアップという「合理性」を優先させているのに。


だた、理解はできる。Appleごっこ、気持ちいいからね。

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あと、Engadgetの本家のTwitterでは、「日本のトースターメーカーのバルミューダがスマホを発売」と紹介されている。これ、馬鹿にされてるだろ。