「いいモノを作る」だけだとあっという間に廉価にコピーされてレッドオーシャンに叩き込まれる時代になったので、そこに至る「過程」や「物語」を陳列して、それを銭に替えましょう、という話。
本書を読んでワクワクする人もいれば、そこまで自分をさらけ出さないと食っていけないのかとゲンナリする人もいると思うが、どちらもそれでいいと思う。
SNSが普及しきって、情報やコンテンツが爆発的に増えました。一部の有名人やインフルエンサーだけでなく、誰でも自分の仕事やサービス、商品をPRしています。そんな1億総発信者者社会において「○○を作りました」とアウトプットだけをアピールしても埋もれてしまいます。
(14ページ)
「プロセスの陳列」が、ただの「品性の投げ売り」になっている人も多く見かけるし、最適な匙加減は難しい。
例えば、注目を浴びるのがとにかく得意な人が、プロセスを上手に開示することによって実力以上に資金やファンを集めてしまう。すると、どんどんプロセスの刺激を増やしていかないと、次に続かなくなってしまいます。
(144ページ)





帯が顕著だが、推薦文や本文も、いわゆる「日本のウェブ上で派手な人たち」の名前が大量に出てくる、インナーサークルの褒め合い本なので、市井の地味な民衆にはあまり得るところのない内容だが、以下の部分には強く共感した。
今までは1つの決まった正解に向かってパズルを埋めていきました。正解はわかっていて、その最終形に向かって、他人よりも速く正確に作業することが求められました。
しかし、何が完成するかわからないレゴブロックを組み立てていく方が、今の時代にあっています。
自分の得意なことを活かして、それ自体を楽しみながらレゴを組み立てていく。(176ページ)
公立小学校に通う子供が学校で受けている授業がパズルになのに対して、子供の欲求は明らかにレゴ。個人的なテーマとして、「パズルからレゴへ」を心に留めておきたい。
はじめに
第1章 なぜプロセスに価値が出るのか
第2章 人がプロセスに共感するメカニズム
第3章 プロセスエコノミーをいかに実装するか
第4章 プロセスエコノミーの実践方法
第5章 プロセスエコノミーの実例集
第6章 プロセスエコノミーの弊害
第7章 プロセスエコノミーは私たちをどう変えるか
おわりに