望もうが望むまいが、「下手したら」100歳まで長生きしてしまいかねない時代に、いかに長く太く生きるための準備を戦略的に考えていくかについての本。Kindle版を購入。
幸いなことに俺には「人生100年」のロールモデルが身近にいる。いや、いた。俺の祖母と、妻の祖母。どちらも数年前に鬼籍に入ったが、四捨五入すれば100歳という天寿をまっとうした。ほぼ最後まで、自分の頭で考え、自分の口で食事を摂り、笑って、そして死んだ。
この2人が、本書の著者である勝間和代さんのように、戦略的にロジカルに考えて長生きをしたようには思わないが、それでも本書で書かれているようなことを、自然と実行しながら生きてきたのだと思われる。食生活にしろ、殖産の方法にしろ、子や孫や地域との関わり合いにしろ。
なにも考えずに駄齢を重ねると、老いとは、醜くケチくさいもの。
ゴルフの会員権を持っている人たちは、 定年を迎えると、お金がないため、ゴルフ場でお金を使わなくなります。そのくせ、暇で時間があるのでよくやってきては、横暴で自分勝手なことを言ったり、やったりする。実にわがままなのだそうです。
(Kindle・位置30)
身体や精神の健康維持のために繰り返しになりますが、年金生活でなぜケチくさく、お金に対して余裕がなくなってしまうのかというと、年金による収入が十分であるかないか、ということが大きな問題なのではありません。むしろ、いま得ている収入が今後、上昇する見込みがまったくないことが問題なのです。
(Kindle・位置1254)
具体的な危険サインを挙げると、過去の自分語りが多くなったり、自分の経験や才能ではなく、自分と付き合っている人の自慢話が多くなると、要注意だと思います。また、特に求められてもいないのに、相手の見かけや話し方、付き合っている人間に対して、わざわざ介入してきて意見を言ったりする のも、危険サインでしょう。
(Kindle・位置1597)
こういった「老醜」を晒さないためには、身体的リスク・金銭的リスク・社会的リスクという3つの側面から考慮して、戦略的に準備をしておかなければならいと、著者は説く。以下のように断言する人なので、方法論やノウハウとしては、信頼できる部分が多い。
私は我慢をするのも、苦労をするのも大嫌いです。
(Kindle・位置785)
俺が今、妻と取り組んでいる自宅建立も、90歳になるまでの約50年間を快適に過ごすためにはどういった家にする必要があるか、を家作りの主調低音としており、結果としてバリアフリーの平屋になり、自然素材の家になり、高機密高断熱で居室ごとの温度差がない家になり、エコワークスとなった。
醜くケチくさい余生なら死んだ方がマシだが、さりとて自裁する度胸もおそらくないので、俺は太く長く生きることを決めた。本書はその入門編ガイドブックとしては読みやすくて好適。手軽にサクッと読めるので、Kindle版がおすすめ。
酒が身体に及ぼす害についての部分で、
あえてアルコールを飲まない「ソーバーキュリアス」
(Kindle・位置926)
というライフスタイルが紹介されていた。2011年2月4日に、それまで飲みに飲んでいた酒を断ち、以降10年以上、一滴も口にしていない。俺はソーバーキュリアスだったようで、自身に貼るのにぴったりのラベルを知ることができた。余は如何にしてソーバーキュリアスとなりし乎については、いずれまたブログに記してみたい。