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福岡県の医療従事者向け新型コロナウイルスワクチン接種、手配を広告代理店(JR九州エージェンシー)に委託した結果、破綻

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2021年5月14日の西日本新聞ウェブ版より。

“放置”された医療者ワクチン 配送手配役の業者さばけず|【西日本新聞me】

新型コロナウイルスワクチンの医療従事者への接種が福岡県で滞っている。超低温冷凍庫のある拠点病院(基本型接種施設)から、医療従事者が接種を受ける中小規模の病院(連携型接種施設)への移送などを手配する県の委託業者がパンクしたためだ。

福岡県、あるいは福岡市の新型コロナウイルスワクチン接種だが、アナウンスが上手で威勢のいい高島宗一郎市長と、県の稚拙なオペレーションの乖離があまりにもすごく、期待させられてから突き落とされるの繰り返しで、もはや麻痺している状態。


特に医療従事者向け接種が完全に破綻しており、現場は混乱の極み。医療従事者の末席に身を置くものとしての実際の出来事なのだが、職場のスタッフに接種の希望者を確認して名簿を作成して送信したり、4月に一方的に連絡があり病院と日時を2時間単位で有無を言わさずに指定されたのでアポを調整したり、その予約が「ワクチンが届かないのでキャンセルです、今後の予定は未定です」と一方的に取り消されたり、それはもう、ジェットコースターのようで、楽しい。

県によると、委託を受けた広告代理店の情報集約、手配業務が追い付かずワクチンの行き場が決まらないままになっているのが原因という。

委託業者から一向に連絡がないため業を煮やし、電話をかけてもつながらないという。

こうした状況を受けて県は10日、急きょ段取りを変更。

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【西日本新聞ウェブ版より】


西日本新聞によると「委託を受けた広告代理店」が無能なのが原因とのことだが、社名は出ていない。ということで、この広告代理店は「JR九州エージェンシー」。以下、福岡県医師会からの怒りの通達。

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福岡県が設置するコールセンター(委託先:JR九州エージェンシー)が団体型医療機関へ電話連絡し接種予約の調整を行うこととしておりましたが、現時点で多くの団体型医療機関へ連絡ができておらず、当初の予定より医療従事者の摂取が大幅に遅れている状況にあります。


JR九州エージェンシーだが、ウェブサイトを見ると本当に広告代理店のようで、事業内容は以下のようになっている。

  • 交通・テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等の各種広告の取扱い
  • 各種プロモーションに係る業務
  • 広告宣伝及びセールスプロモーションに関する企画・立案並びに制作
  • 各種イベント・展示会等の企画・立案・実施
  • インターネット関連の企画・制作および運営・管理
  • CI・VI戦略の立案・実施
  • JR九州顧客管理業務委託
  • JR九州商品化許諾事業

強いて言えば「各種イベント・展示会等の企画・立案・実施」がワクチン接種事業の対象業務か。で、失敗して破綻。


記事は、

県の担当者は「接種希望の把握に想定以上に手間取り、業務が滞ったと業者から聞いている(以下略)」と釈明している。

と結ばれているが、どのような経緯でいくらでJR九州エージェンシーに委託されたのか、なぜ破綻したのかは検証されることもないだろうし、殊勝なことに検証されても、結果が明るみに出ることはないと思うので期待はしていない。JR九州エージェンシーという会社の名前と出来事は覚えておこうと思い、記録としてブログに記した。